カプリカプリ閉店によせて

カプリカプリは

1996年3月6日に白石区南郷18丁目近くにオープンしました。

そして、2012年4月に現在の店舗へ移転しました。

今の店舗は、テレビ塔からほど近く、十分なスペースがあり、

それまで出来なかった炭火焼きや、

ワインセラーも作ることが出来て、とても気に入ってました。

 

2023年 冬、もう少しで27周年を迎えるという矢先

未だに信じられませんが、シェフが急逝し、カプリカプリは

閉店することになりました。

 

今は店の後片付けをしています。

メニューブックや、皿や、厨房機器や、書類や、果ては書きなぐったメモの

一つ一つ手に取る度に、これまでご来店頂いたお客様、お出しした料理の数々

出来事などを思い出しています。

 

備品や在庫のワインは譲渡会でお客様の手に渡ったものもあります。

 

皿やグラス、厨房機器の一部は

知り合いのレストラン、新規オープン予定のレストランへもお譲りしました。

どこかで、見慣れた皿等に出会うかもしれません。

 

ワインはまだ100本程ワインセラーに保存しています。

4月15日(土)迄現在の店舗へお越し頂けるようでしたら

ご覧頂いて気に入るものがあればお譲り出来ます。

毎日午後1時から4時迄おります。

4月16日にお掃除をして、この店舗は私の手を離れます。

 

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シェフは、27年前、店のオープンと同時に

「採れたての野菜をお客様に提供したい」と自家菜園を始めました。

夏は午前中のほとんどを畑で過ごしていました。

今の畑には、昨年秋に植えたニンニクが芽を出しています。

先日は一人で、ラズベリーの冬囲いをはずしました。

例年になく早く雪解けが進み、少し早くてもいいように感じたのですが、このタイミングで良かったのか・・・もう聞く人はいません。

店の後片付けが落ち着いたら枝の誘引をしなければなりません。

どの枝を残していいのか、毎年シェフが判断していました。今年はどうしたらいいのでしょうか。

 

シェフは、カプリカプリのオーナーシェフのみならず、

北海道中央調理技術専門学校

並びに、北海道三笠高校で、イタリア料理の講師として

北ガスクッキングスクールや、ベターホーム協会での料理教室の講師

白石区に店舗があった時は自店でも料理教室を行なっていました。

「教える」ということにとてもやりがいを感じていました。

今後もライフワークとして、続けていきたいと言っていました。

 

加えて

北海道認定の「北海道食のサポーター」として

北のハイグレード食品審査員、並びに相談員として北海道各地の相談会へも出向いていました。

スローフード協会の会員、北海道食文化研究会の会員でもありました。

 

さっぽろオータムフェスト、シェフズキッチンや

コープさっぽろ主催の畑でレストランなどのイベントにも精力的に参加してきました。

 

たくさんの方のご縁と支えによって充実した日々を送ってきたと思います。

 

この訃報に際し、本当にたくさんの方々から、追悼やご心配のメッセージを頂きました。

本当にありがとうございました。

 

「料理」は形として残らないですが、様々な思い出や、何かが「心」に残るものだと思っています。皆さまの心の中に何かが刻まれていれば幸いです。

 

生前中のご厚誼に深く感謝申し上げます

 

塚本喜代美