小豆島のオリーブ農家、井上誠耕園さんを訪ねて

さて、次に訪れたのは小豆島のオリーブ農家、井上誠耕園さんです。 もう10年以上前から、秋のオリーブの収穫時期には採れたてのオリーブを送って頂いています。カプリカプリでもこのオリーブを毎年心待ちにしてらっしゃる方も多いです! こちらオリーブは、フレッシュで、コリコリっとした歯ごたえもある、本当に美味しいオリーブです。 オリーブが苦手・・・という方もこちらのオリーブなら食べられる!という方もいらっしゃいます。 前日、宿泊した広島県福山市から新幹線で岡山へ移動。駅から路線バスで岡山港へ向かいます。そこからフェリーで1時間強、小豆島へ上陸です。波もなく、穏やかな船旅でした。(*小豆島へは岡山か、姫路か、神戸か、四国からか、いずれにしてもフェリーで渡ることになります。飛行場はありません。) 港からレンタカーで、井上誠耕園へ向かいます。 北海道の道路を走りなれている私にとっては、めちゃめちゃ狭い道路です。アップダウン、カーブも多いです。慎重にハンドルを握り、なんとか海の見える国道沿いに今春オープンしたという井上誠耕園さん直営の眺め素晴らしいレストランへたどり着きました。 美味しいオリーブオイルを使った料理を頂いた後、農園のスタッフの方に園内をご案内頂きました。 レストランのある国道から車で10分弱ほど、山の方へ登っていきます。 olive 道路はますます細くなり、車1台がやっと通れるような感じです。園内に入ると勾配はさらにきつくなりました。(四駆ではないと登れないそうです・・・。) 曲がりくねった道を上ると、南斜面の眼下にはオリーブの木の林の向こう遠くに瀬戸内海が、また山の方へ眼を向けると、急斜面にオリーブの木が点在して植えられています。 olive7olive6すごい数です。現在約4,500本、8種類のオリーブが栽培されているそうです。 *こちらの農家さんもオリーブの木の根元はきれいに下草が刈られています。 草を刈らないでいるとオリーブを枯らしてしまう害虫が来てしまうのだそう。 また、オリーブの収穫は、手作業ですべて摘むので・・・ (そうしないとオリーブの実が傷ついてしまうから・・・、たまに、外国では、木を大きな機械で挟んで、揺らして、実を地面に落として収穫するのを見かけますが、このやり方はやはり安価なものを作る過程であって、いいものを作ろうとすれば、必ず手摘みです!) 収穫時期は想像するに重労働でしょう。背丈の高い木は脚立に上って、実を摘むということですから・・・・。 小豆島ではこちらの農家さんはじめ、何軒もの農家がオリーブを栽培していて、島の特産物として定着、産業としても確立しています。 そもそもどうしてこの島で栽培が始まったのでしょうか? 文献には・・・ 安土桃山時代、キリスト教の宣教師によって日本にオリーブが持ち込まれた、とか 江戸時代末期には、オリーブの樹が最初に日本の地に植えられたとか、ありますが、 オリーブの栽培が本格化したのは1908年(明治41年)のことだそうです。 日露戦争に勝利した日本政府は、北方漁場の海産物を保存する方法として、オリーブオイルを使用したオイル漬け(缶詰)に着目。 国内でオリーブオイルを生産するために、当時の農商務省がオリーブの試験栽培を開始。 栽培地として指定したのは小豆島のほかに2県あったそうですが、唯一小豆島のみが栽培に成功し、1911年(明治44年)には74㎏の実を収穫することができたそうです。 小豆島の気候が地中海沿岸とよく似ていたこともありますが、技師たちのたゆまぬ努力が実を結び、3年後にはオリーブ栽培が島全体に普及し、現在に続く経済栽培の礎が築かれたとのことです。 olive3 *この農園さんに最初に植えられた原木のオリーブの木です。 いまや、オイルとして使うだけでなく、食用として、化粧品などの加工品も多く作られています。 さて、農園見学に話は戻します。 オリーブの木は、健全に生育させる為に、日当たりなどを考慮して、枝の剪定も行われます。 切った枝はビニールハウスの苗床のようなところにさしておくと根が出てきます。 olive5 ある程度大きくなったらポットに移すと 3年くらいで高さ10センチくらいになり、実もつけるようになります。 ↓ olive4   高齢化などで、離農した畑に新たにオリーブを植え、オリーブの畑も年々広がっているそうです。 いつか機会があれば収穫作業もやってみたいです。

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