瀬戸内のたではら農園さんを訪ねて

先日、一足早い夏休みを利用して瀬戸内海の農家さん2軒を訪ねてきました。

カプリカプリでは、主に北海道の食材を使ってイタリア料理に仕立てていますので

通常、本州の農家さんから野菜などはあまり仕入れていません。

ただ、今回伺ったところは別で、以前から一度実際に見てみたいと思っていました。

 

まず、瀬戸内海に浮かぶ生口島の柑橘農家さん、「たではら農園」さんです。

こちらは、現在広島県在住の農学博士さんを通じ、ご紹介いただいた農家さんです。

(広島へ転勤になる前は札幌で勤務、小麦の研究をされていて、その際お世話になった方です。ルルロッソの生みの親といっても過言ではない方です)

今回はその方もご一緒してくださるとのことで・・・・

福山市からしまなみ海道で、生口島へ向かいました。

生口島の瀬戸田は国産レモン発祥の地で現在も国産レモンの生産量は国内一とのことです。

 

北海道に住んでいると海の向こうに島が点在して見える風景というのは新鮮で

‘瀬戸内海’を実感します。

到着するとさっそく、農園を蓼原さんにご案内頂きました。

私が伺った6月12日は、花がほぼ終わり、すべての柑橘の木に小さな実がついているというシーズンです。20170612_150747

梅雨に入ったというにこの日はお天気に恵まれ、海から吹く風も心地いい日でした。ご家族で切り盛りしてらっしゃるという農園はご自宅の横のなだらかな斜面と、車で5分ほど離れた急斜面とで瀬戸内レモンをはじめ、みかん、せとか、はるみ、はるか、ネーブル、八朔、デコポンなどを栽培されています。

20170612_14583920170612_15150520170612_151356*レモンの葉はレモンの香りがします!

海に向かって広がる農園は、ただ上り下りするだけでも一苦労するのに・・手入れや収穫などを人の手でしているのかと想像するに、その苦労がうかがいしれます。

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斜面には収穫の時に使う籠をのせて運ぶレールが張り巡らされてはいますが、入れ物をそのレールのところまで運ぶのも大変そうです・・・。

果樹の根元はきれいに雑草がないのですが、なんと年に4回も下草は刈るそう。

さて、柑橘類の収穫時期はいつだと思いますか?今ではスーパーに1年中輸入されたレモンやオレンジなどが並びますからね・・。春に花が咲き、実をつけ、品種によって若干の違いはありますが・・・だいたい冬に収穫を迎えます。それもほぼ同時期に!!

急斜面で重い果実の収穫作業は若い人でも大変な作業。生産者の高齢化に伴って、島内のみかん農園も相次いで廃業し、荒れた山が目立つようになっているとか・・・。

そこで、こちらの農家さんでは、

摘果する時期の青いみかんに着目!

まだ青い時期に摘果する蜜柑は、昔から身体にもよく農家の人だけが食べられる貴重なものとされながら、農家で食べる以外廃棄されていたそう・・・。

ならば農薬をかけないで、痛む前の青い時期に収穫して出荷することに!

*果樹の収穫時期も分散(蒼い蜜柑の収穫は8月末)することができる。

青い時期のみかんを収穫し、その青いみかんを絞ってジュースにしたものが「蒼い蜜柑」の果汁です。

また自宅そばには大きなアイスシェルターを設置。研究所で開発されたシートに果実を入れ、一定の温度に保つことで、冬に収穫した柑橘が、腐ることもなく、未だにみずみずしく保たれていた。どうしても出荷時期が同じだと、加工してとっておくしかなかったり・・・・また、国産の貴重な柑橘といえども値崩れを起こすこともあるのを、出荷時期をずらすことで、その価値を高めることに!地元のレストランからは引っ張りだこ!とのこと。20170612_152803

6月に国産の生の柑橘が手に入るなんて!!これはすごいことです。

今年はまだ試験段階だったとのことですが、今冬からは本格的に稼働するようです。

今から楽しみです!ta

ご案内頂いた蓼原さん(写真中央)、アテンド頂いた、農学博士の船附さん、本当にありがとうございました。

 

たではら農園さんのHP→http://tadeharanouen.com/

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