自家菜園

北海道の夏は短く、すべての野菜を一年中というわけにはいきませんが、新鮮なものをお出ししたいとの思いから毎年5月下旬から10月初旬まで自家菜園の野菜、ハーブがメニューに登場します。

もともとは「入手が難しかったり、たくさん使いたいのに価格が気になり思い切り使えないハーブなど作ってみたらどうだろうか?」と始めました。何も分からず見よう見まねでスタートしたものですから始めのうちはズッキーニがヘチマくらいになってしまったり、農薬を使いたくないのでバジリコが虫に穴だらけにされたりと失敗の数をあげたらきりがありません。また路地栽培を基本にしていますから天候、気温などに左右されてしまいます。最近はプロの農家さんの有難さが身にしみます。

それでも、この野菜のこの鮮度、味は負けない・・・という物も出来るようになってきました。カルチョッフィ、花ズッキーニなどがそれです。また、土つくりなどの勉強これからの課題です。

朝摘んだ野菜を楽しみにしてくれるお客様の「おいしい」と喜んでいただける言葉を励みにしています。

バジリコ(BASILICO)

プロの農家さんを参考にして木酢液をいれたペットボトルで虫除けにしています。農薬を使わない為の知恵でが、それでも毎日見てやらないと穴だらけに・・・・・。路地で育てるとハウス物に比べて葉が厚く香りが強くなり、バジリコ を使ったジェノバ風ペーストはパスタ以外にもいろいろなメニューに使います。トマトと相性が良く、当店では夏の間かかすことの出来ないハーブです。

ズッキーニ(ZUCCHINI)

ズッキーニzu夏野菜の代表といえばもちろんズッキーニ。揚げても、ソテーしても、柔らかく煮込んでもおいしい万能選手!

苦労と言えば一日も目が離せないこと。雨の後は要注意で、昨日までまだ小さいとおもって収穫をひかえいたものが大きくなり過ぎてしまったりします。

天候しだいですが、6月下旬から8月下旬までの間、朝摘みたてで調理いたします。特に花は美味で雌花(写真)の花びらの中にモッツァレラチーズを詰めて衣揚し、トマトソースで召し上がっていただくアンティパストはご好評をいただいております。

ラズベリー(LAMPONE)

ラズベリーlannpone

 

 

真っ赤な身をつけるラズベリーは当店のデザートや肉料理のソースになります。

 

フランス料理店『ラ・サンテ』のシェフからいただいた木を大切に育てたものですが、耐寒性があり雪が解ける頃には真っ先に芽吹く「春告げ」の木です。

7月上旬くらいから毎朝一房づつ完熟したものを収穫し、トルタ(デサート)などにしてたっぷりご用意いたします。

タイム(TIMO)

あまりたくさん使いませんが、スーゴやブロードを作るときにはないと困るハーブです。仔羊を焼くときなどにも重宝します。耐寒性があるので雪が解けてしばらくすると青々とした葉が伸びてきます。使いたいときに必要なだけ収穫でき、ドライにすれば冬の間も使えます。すがすがしい甘い香りが魅力です。

カルチョフィ(CARCIOFI/アーティチョーク)

カルチョフィ カルチョフィ

アザミの花でローマでは春が旬の野菜です。当店では7月初旬から収穫できます。

輸入品が殆どでオリーブオイル漬け、塩水漬け、冷凍品が多く、最近はイタリア産のフレッシュも出回るようになりました。イタリア、フランスなどでは好まれるのですが、日本ではまだ馴染みがないようです。アクが多いので収穫した日に調理するのがベスト。朝摘んだものは生のままサラダに、リゾット、パスタのソース、丸ごとオリーブオイルで揚げてアンティパストに、煮込みやソテーといろいろ形をかえて登場します。

毎年10株ほど育てますが一度にたくさん採れませんのでその日だけメニューになります。見つけたときには是非、ご賞味ください。今まで召し上がった味との違いに驚かれることでしょう。

ルーコラ(RUCOLA SEIVATICO)

ルーコラは二種類あります。ひとつは栽培種で町のスーパーでも見かけるようにまでメジャーになったルーコラ。もう一つは野生種と言われるルーコラ・セルバティコまたはルケッタと呼ばれるもの。どちらも噛むとゴマの香りがしてやや辛みがある野菜です。後者の方が香りが強くお気に入りです。セルバティコは黄色の花が咲きます(栽培種は白い花)。カルパッチョにのせたり、生ハム、松の実と一緒にバルサミコを使ってサラダにしたり・・・・といろいろな料理に使います。育ちすぎて辛過ぎるものはピューレにして手打ちパスタに練り込むとグリーン鮮やかな香りの良いパスタになります。市場から仕入れた新鮮な魚介で作るソースと合わせると最高です。

ローズマリー(ROSMARINO)

北海道では越冬させるのが難しいのでこれだけは鉢植えにしています。なかなか大きくさせられないのですが、以前トスカーナに訪れたとき、きれいに手入れされた背丈ぐらいある庭木がローズマリーだったことに驚きました。肉料理やジビエ、背の青い魚、マグロなどには欠かせないハーブです。

ミニトマト(POMODORINO)

イタリア料理にかかせない野菜の筆頭と言っても過言ではない「トマト」。現在は毎年シシリアンルージュというトマトを栽培30株ほどしております。そのまま摘みたてをフレッシュでご用意する他、じっくりと乾かしたドライトマトは凝縮した旨みが魅力です。またオレンジ色で甘い「ピッコロカナリア」紫色の「トスカーナヴァイオレット」なども栽培しています。

 

おかひじき(BARBA DI FRATE)

バルバ ディ フラーテという覚えにくい名前の野菜です。海岸の砂地に生える野草が栽培されるようになったもので、イタリア名を訳すと「修道僧のヒゲ」というユーモラスな名前です。癖がないのでサラダ、リゾット、ソテーして付け 合せに、フリッタータにと色々なものにします。スパゲッティと合わせてパルメザンチーズをたっぷりかけたプリモは食感がよく当店の人気の品です。

フィノッキオ(FINOCCHIO)

あまり馴染みのない野菜ですが、『ウイキョウ」「フェンネル」言えばご存知の方も多いと思います。雄株と雌株があり、写真は雌株。雄のほうが丸くてふっくらとして柔らかくサラダに向きます。雌はグラタンやパスタのソースにするなど加熱用です。柔らかな葉を魚のカルパッチョに添えても美味。道東でサンマ漁が始まると当店の人気メニュー「秋刀魚とフィノッキオのリングイーネ」が登場します。見た事も聞いた事もないから・・・・・と敬遠される方でも笑みがこぼれる香り豊なパスタに仕上がります。全体をまとめてくれる名脇役です。

セージ、オレガノ(SALVIA ORIGANO)

セージは肉料理やバターと合わせてソースにしたりといろいろなところに使います。衣をつけて揚げても美味。オレガノは香りを穏やかにつけたい時はフレッシュで肉料理などにはドライにして使い分けます。

ビエトラ(BIETOLA)

古代ローマ時代から親しまれる野菜で日本名は不断草。寒さにも強いので北海道でも作りやすく、ホウレン草と同じ使い方が出来るので重宝します。ホウレン草より鉄分が多めなので現代人の栄養補給にも良いかもしれません。煮込むと甘みが出るので当店ではイタリアの伝統料理「ヤリイカとビエトラのイン ツィミーノ」というトマトで煮込んだ料理でご用意しています。一般的に冬の方が味が良いとされています。肌寒さを感じるようになる8月後半からメニューに登場します。

イタリアンパセリ

料理に清涼感を与えてくれるこのハーブは縮れタイプのパセリより繊細な香気があるので、使い勝手の良いハーブです。プレッツェーモロというイタリア名をもつこのハーブは憧れのハーブでした。たくさん使いたいが仕入れ価格が気になって使うときには飾りで料理に添えるしかできなかったのですが、自分で育てることにより思う存分使えるようになりました。刻んで料理の仕上げにたっぷり振り掛けると他の香りの邪魔をすることなく、奥行きを与えてくれるお気に入りのハーブです。

 

その他、やラディッシュ、エンドウ、ミント、キュウリ、トピナンブール(菊芋)プンタレッラ、ルバーブ、山わさび、ブルーベリーなどを栽培しています。