オペラ座の怪人 シーン解説 その2

意外と(?)好評でしたので・・・調子にのってパート2です!

今回は第二幕から・・・劇中劇で唯一ファントムが作曲した「ドン・ファンの勝利」についてです!

なにやら怪しげな酒場のようなセットですよね・・・。

テーブルの上には豚の丸焼き・果物・うさぎ・キジ・ゴブレット・りんごなどが置かれています。

音楽的には、「ドン・ファンの勝利」は不協和音と全音音階。

詳しくは「オペラ座の怪人メモリアルbook」をお読みください。

とにかく、とても歌いにくい音階で、ピアンジが稽古の時に何度も間違えるのも無理もないのだとか。

さて、このシーン、なにやら不思議な印象を受けますよね?

それもそのはず、まず全員、悪い人らしい!

その登場人物はというと・・・・

まず、宿屋の主人と女将。(二人ともがめつい)

ゴブレットが空になったら女将は酒を注ぎ、どんどん飲ませて儲けようとする。

そして、高級娼婦(カルロッタ役の方が演じてます)

位が高い娼婦の設定だそうで・・・(高級娼婦は自分から相手を選べるのだそう。りんごは意中の人に投げて「あなたが今日のお相手よ」という感じ。)

*ちなみに・・・西洋では「りんご」は「愛」の象徴なのだとか。

さらに・・・小姓(女性の方が男装してます)

位が高いご主人様に使える召使いで、夜な夜な快楽におぼれているらしい。

(当時の西洋では少年が男性の相手もしたらしいので、男女を問わず相手に快楽をむさぼっているという設定なのだとか。)

そして、修道士・・・これまた、不道徳な修道士なので赤いローブをまとっている。

歌が進み・・・

豚の丸焼きの皿にカルロッタが「りんご」をさしますが、豚が男性を表し、そこにりんご「愛」をさすということで、まぁそういうことのようです・・・。

カルロッタから選ばれた男性も「悪党」

*私は観たことないですが「りんご投げ」時々、コントロールが乱れるらしい(?)

もう、舞台から目が離せなくなってきましたね!次回はキョロキョロしちゃうでしょう!

後、宿屋に勤める娼婦の方は、肩を出してコルセットを服の上から巻いている。

コルセットは下着なので、身分も低く、そういうものを見せて挑発している。

(1幕ではフィルマンさんの奥さま役をされている方が演じられているので、その落差が~!)

少しシーンが進み、奥からドンファン(ピアンジ役が演じてます)が出てきて

パッサリーノ♪と声をかけます。

パッサリーノは ドン・ファンの召使いで、位の高いドン・ファンの代わりに街に出て、ドン・ファンの衣裳と声色を使って女の子に声をかけ回る役。

そこへ・・・ パッサリーノに声をかけられてこの夜やってきた娘をクリスティーヌが演じています。

最後ジプシーの踊り子(メグ・ジリー役)

ジプシーは当時娼婦のようなこともしていたらしく・・・ドン・ファンのお相手をしてお金を受け取り、笑い声と共に、お金をもらって去っていきます。

ドン・ジョバンニはイタリア語読みで、スペイン語読みではドン・ファン。17世紀に実在した人の名前。実際のオペラ「ドン・ジョバンニ」では、貴族の娘をたぶらかし、その父親の怒りを買って、娘の父に地獄に落とされるという話だが、この劇中劇「ドン・ファンの勝利」では、「勝利」というだけあってドン・ファンは死なないストーリーらしい。

だが、このオペラが怪人により作曲されたということは、本番中にピアンジは死ぬ(殺す)わけだし、

やっぱりどちらにしてもドンファンは「高いツケ」を払うことになるというわけ!