Franz Haas Winery

こんにちは。マダムです。6月に5年ぶりにイタリアへ行ってきました。
前回同様、ワイナリーさんを訪問するのが目的です。レンタカーでなんとか4か所のワイナリーを訪ねてきました。
これから4回にわたって、訪問したワイナリーさんを紹介いたします!

今回行ってきたのは、北イタリア、トレンティーノ・アルト・アディジェ州と

フリウーリ・ヴェネチア・ジューリア州、なかなか日本ではなじみがないところかもしれません。
ただ、高品質のワインの産地として注目のところなのです。

ます、訪れたのは
トレンティーノ・アルト・アディジェ州の州都ボルツァーノから車で30分くらいの
Montagna(モンターニャ)にある
Franz Haas Winery(フランツ・ハース)

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*建物の入口はそれほど大きくないのですが、山の斜面を利用して作られており内部はとても広い。

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トレンティーノ・アルト=アディジェ州は協同組合で造られるワインも多い中
1880年からエステートワインの製造に携わってきたワイナリーです。

(少しづつ畑を購入し続け、今日では自社所有と貸借した畑を加え50haにまで成長。収量をしっかり抑えて果実味豊かなワインを産み出す生産者として着実に力を蓄え、個々のワインで高い評価を受けるようになった。
ワイン造りが時間を越え、綿々と続く気の長くなる作業であるのと同様に、代々長男がフランツの名を継承して現当主が7代目を数えている。/ インポーターさんの資料から抜粋)

とあるように、オーナーさんもフランツさん、息子さんもフランツさんです

生まれた時から、名前もこの土地もワイナリーも受け継ぐ運命なんですね・・・。責任重大。
今回は息子さんにワイナリーの中を案内していただきました。

まず、ここアルト・アディジェは、北はオーストリア、スイスと国境を接し、南東をヴェネト州、南西をロンバルディア州と接しています。 州の真ん中にはアディジェ川が流れ、両側にドロミティ山塊が連なり、殆どが山岳地帯です。 世界遺産にも登録されているドロミティは、鋭くそびえ立つ山々やエメラルドグリーンの湖面が美しい湖、麓に広がる緑豊かな高原など、大自然が創り出した壮大な風景が魅力です。 世界中から観光客が訪れる人気の観光スポットで、トレッキングやスキーなどを楽しんでいます。
冬は寒くて夏は暑くなり、私が訪問した6月末で昼間の気温は35℃くらいになりました。
ただ、昼夜の寒暖の差が激しく、夕方にはすーっと気温が下がっていきます。これがブドウには最適なんですね。

この土地を理解する上で重要なのはまずその歴史で・・・
第一次世界大戦前まではオーストリアに属していました。
(現在はオーストリアと国境を接し、南側のトレント自治県、北側のアルト・アディジェ自治県に分かれている特別自治州です)
ですので住民の多くがドイツ語を話します。地名や人の名前もドイツ語が多く、ワインのラベルもイタリア語とドイツ語と併用されているものもあります。レストランで食事をしていても、スタッフの方、お客様ともにドイツ語の方が大半で
ここは本当にイタリア?と錯覚します。

*この地域一帯は昔「南チロル」と呼ばれ、現在オーストリアに帰属する北チロル、東チロルとあわせて「チロル地方」と呼ばれていました。戦争によりオーストリアと南北に分断されてしまいましたが、誇り高きチロル人は世界情勢が変化しようとも今なお独自の「チロル文化」を大切に守り継承しているようです。

葡萄畑
アルト=アディジェ州の葡萄畑でユニークなのは、その「土壌の複雑性」。
標高の一番低いところに川が流れ、そこから両側が1000m以上の急斜面となっており岩は白く、ほぼ石灰岩であることが分かる。
ところが、その大部分を占める石灰岩に入りまじって班岩や粘土質土壌、などがあるとのこと。
また、土地の高低差は、ブドウの熟し方、収穫時期に影響を与え、さまざまな品種のブドウをつくることができるので、バリエーション豊かなワイン生産が可能です。
低地(220m)では、スキアーヴァ、ラグレイン、標高が上がるにつれピノグリージョ、ミューラウ・トゥルウガウ、・・・など標高と地質に合うブドウをそれぞれ植えられ、
一番標高の高い畑にピノネロが植えられている。
現在では標高1000mを越える高地にピノネロの畑があり、その畑で収穫されたブドウからは高品質のワインが仕立てられ、内外で高評価を得ている。

この地域の生産者がほぼそうであるが、30年ほど前にはブドウの仕立てをグィヨ方式へ移行。密植も行っている。

醸造
ワイン造りの基本姿勢は土壌のミネラル感をその骨格とし個々の品種個性を損なうことなく果実味を閉じ込めエレガントさとフィネスを兼ね備えたワインに仕上げることである。

ワインによってバリックも使うが、決してワインの個性を損なうような行き過ぎた使い方はせず、あくまでもナチュラルで土壌と果実の個性を生かすために使うという。
本当に様々な品種のワインを造っているが ピノネロにはひとかたならぬこだわりがある。

畑の区画ごとに分けて醗酵をおこない、その特性にあわせ樽を変えて熟成を行い最後にアッサンブラージュを行っている。きめ細かい対応によって完成度の高さを産み出している。

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なかでも条件のいい畑のブドウのみでしててられた究極のピノネロの味わは格別です。
Alto Adige DOC Pinot Nero Schweizer(ピノ・ネロ・シュヴァイツアー)

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*こちらはレストランで開けていただいたもので現行のヴィンテージではありません。素晴らしく美味しかったです!

また白ワインではフランツさんの奥様の名前を冠したマンナMANNA
(ソーヴィニヨン+シャルドネ+リースリング+トラミネール+ケルナー)は内外で高い人気を誇る。

また、娘さんの名前を冠したソフィーは親しみやすいチャーミングな味わいで夏向き!

エチケットがとても印象的だが
ボルツァーノ在住の画家のシュヴァイツァー氏が手掛けている。

現在ピノネロは輸入元で完売。

Franz7秋には私がワイナリーで試飲した新ヴィンテージ2017が入荷予定。また最高峰のピノネロ・シュヴァイツァーはこの冬入荷予定とのこと。
入荷になりましたら、またお知らせいたします。

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現在は夏向きのこの3本をご用意しています。
ミューラウ・トゥルウガウ(白)香り高く、柔らかな果実味を心地いい酸がボディを引き締める
スキアーヴァ(赤)はチェリーや苺のチャーミングな香りと軽めのタンニンとボディで夏に飲みたい赤ワイン!お魚料理に合わせて頂いてもOKなボディです!
そして・・・特別な日にお勧めのマンナ!
知り合いの醸造家の方も口をそろえて「素晴らしい!」と絶賛の白ワインです!