オペラ座の怪人

このミュージカルにはいろいろと思い出があります。

まず、今からおおよそ25年くらい前に初めて札幌から東京へ

「ミュージカルを観に行く」、ということをした作品だからです。

その当時は新橋演舞場で上演されていました。

憧れの作品を始めてみた時の感動はいまだに忘れられません。

有名な作品ですから、詳しいストーリーはここで述べる必要はないでしょう。

札幌にお住まいの方の中には今から19年前JRシアターで上演されていた時にご覧になった方も少なくないと思います。

ただ、また観なおしていただくと意外とその当時と印象が違うと思うのです。

私は・・・・、というと、若かった頃は、不運なファントムの境遇に同情したものです。

自分の才能を注ぎ込んで育て、スターにした愛しい女性を、突然現れた何不自由なく育ってきただろう、お金持ちのイケメンに横やりを入れられて、いつの間にか恋仲になっちゃうなんて・・・・。(笑)なんと悲しい!やりきれない気持ちになるのももっともだ!と。

ところが、だんだんと年をとってくると、意外と子爵様(ラウル)に情が移ってきたんですね。そもそも、クリスティーヌとラウルは幼なじみなのですから、2人はその時点で少なからずとも好意を持っていたわけです。そこに、歌を教えてやる代りに自分の気持ちに応えてほしいとねじ込んできたのはファントムの方なのでは・・・と。

さらに付け加えるなら、主人公のクリスティーヌのパパという人は亡くなった、ということは語れますが、ママについては一切語られることはありません。

そこで勝手に想像すると、昔は出産で命を落とす事も少なくなかったわけですから、彼女の母親も彼女を生んで命を落とし、パパが手塩にかけて彼女を育てた・・・。ところが思春期前にそのパパもなくなった・・・・。パパの影響が強く、彼女はいわゆるファザコンになった。そこへファントムが現れたもんだから、パパが使わしてくれた「エンジェル」だと思慕の気持ちを持ったのだと・・・。

などなど・・・・

劇中では多くは語られないことをあれやこれや想像し、自分なりに解釈するのは、本当に楽しいです。

ロングランミュージカルを観劇する醍醐味の一つに「配役のチェンジ」があります。

同じ作品でも、役者によってそのお芝居の雰囲気が全く変わってきます。これが舞台観劇(ライブ)の興味深いところです。

配役が変わるとその役の舞台上では語られない背景が違って見えてくるんです。

例えば、物語のエンディングも、一人のファントムは、

ああこの人はクリスティーヌが去ったらもう生きてはいないな・・・・と思わせるし、

一人のファントムは、どこかで生きていそう・・・と思わせるのです。

「あの後、怪人はどうなったの?」と聞かれますが、みなさんが見て感じたように解釈していただければいいと思うのです。

観劇の席について、やっぱり前の方がいいんでしょう?と聞かれますが・・・、

1回目はまず後ろの方でご覧になるのをおすすめ致します。

舞台全体が見渡せますし(ネタバレになるかもしれませんが、ファントムが神出鬼没に姿を現すシーンは前方の席ではその姿を見ることはできません。)それぞれの役の動きを全て見ることが出来るのでストーリーを追いやすいと思います。

2回目は少し前の席に座っていただくと、キャストの方の表情もよく見えますし、迫力ある舞台を楽しんでいただけると思います。

3回目以降はキャストによっての演じ方の違いや、舞台上の細部へ目が行くようになり

以外な発見があったりで、楽しいですよ。

*ちなみに、もしこの舞台にご興味をお持ちになったらメモリアルブックも発売されていますのでぜひお読みください!

舞台裏のあれこれが垣間見れさらに興味がわくこと間違いなし!

(ファントム役のお一人、佐野さんのインタビュー記事のスナップはなんとカプリカプリで写したものです!/どこの場所お分かりになりますか?)